そして、施設という選択肢も大切にしています。

私たちは在宅医療を大切にしています。でも、「何があっても家で暮らすことが一番」と考えているわけではありません。
認知症が進み、昼夜を問わない見守りや介護が必要になることもあります。
ご家族が長い間、本当に一生懸命支えてこられて、それでも疲れ切ってしまうこともあります。
本人も、ご家族も、みんなが限界を迎えてしまうまで頑張る必要はありません。
共倒れになる前に、施設という新しい暮らしの場所を選ぶ。それも、その人とご家族を守るための大切な選択肢だと私たちは考えています。
そして、施設に入ったからといって、そこで私たちとの関係が必ず終わるわけではありません。
施設の体制によっては、入所後も私たちが引き続き診療を続けることができます。
すでに別の医師が診療を担当している施設など、制度や施設の体制上、私たちが継続して診ることができない場合もあります。
そんなときも、できる限り安心して医療を受け続けられるよう、これまでの経過やその方のことをきちんと次の先生へつなぎます。
「在宅にこだわる」ことと、「家にこだわり続ける」ことは、少し違います。
私たちが本当にこだわりたいのは、その人らしい暮らしと、その人を支えるご家族の暮らしを、できるだけ守ること。
自宅がいちばん良い時には、自宅で。施設の力を借りた方が良い時には、施設で。
場所が変わっても、その人の人生は続いていきます。
その時々にいちばん良い場所を、一緒に考えていく。それも、私たちの在宅医療です。



